大野塗装店は、昭和22年に私の父・大野敏治が立ち上げた地域密着型の塗装店です。先代の背中を見て育った私は、10代からこの仕事をはじめて、現場一筋に歩んできました。やがて職人として一本立ちする頃には、旧態依然とした業界の有り様に疑問を感じるようになりました。というのも良くも悪くも職人は口下手で、培ってきた技術を後進に教えようという「教育」の意識がほとんどありません。私自身、「仕事は見て覚えろ」というやり方に随分と泣かされたものです。
そこでまずは職人が使う道具を統一し、先輩の施工の手順などを理解しやすい体制を整えました。これにより、先輩が「生きたマニュアル」となり、技術が継承しやすいように工夫したというわけです。もう一つは「ペインティング・レディー」と呼ばれる女性スタッフの登用。今でこそ、建設業界の女性進出は一般化していますが、そうした動きに先駆けて女性を積極的に採用し、職人としての育成に努めました。女性スタッフによる丁寧な施工と現場の明るい雰囲気は、それまでの現場のムードを一新させ、当社の新たなイメージ確立に一役買ったと自負しています。
これらと並行して建築塗装だけではなく、外壁改修、銅橋塗装、意匠性の高い塗装、多様な土木工事にも果敢にチャレンジ。付加価値の高い仕事により、企業としての幅を広げています。今後も職人魂を忘れることなく、顧客の満足を追求していきます。